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02太陽 

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8. コロナへの質量放出CMEへ戻る

9. コロナへの質量の供給メカニズム

(5)活動領域からコロナへの質量の供給へ戻る。

(6)メカニズムのよくわからない活動領域からコロナへの質量放出

 

 光球からコロナへ質量が放出されるときに、直進するとジェットになることが

あります。しかし、磁場があると、質量(水素のプラズマなど)の流れが磁場で

曲げられてしまいます。この現象がフィラメントなどのプロミネンスであることを

(5)で見てきました。

  しかし、プロミネンスの中にはどんな磁場があれば、そのような形になるのか

よくわからないものがありますので、それも見ておきましょう。

 

 

@トランプのエース型のプロミネンス

  トランプにはスペード、クラブ、ダイヤ、ハートがありますが、

  そのように見えるプロミネンスが、観測できることがあります。

2013-0924-1430-IMG_9553sst  2013/09/26 

上図はスペードのエースに見えます。

image003  2014/02/18  

クラブのエース、フレア(白い所)からクローバーがはえています。

image005  2013/09/26

ハートのエースに見えます。

image007  2015/11/28 

ダイヤのエース か 2 か 3

普通は丸みを持っているフィラメントが、菱形になっています。

このダイヤは、上述(5)の通り、フィラメントが崩壊していく途中の姿です。

  いろいろ、考えてみてはいるのですが、どのような磁場に、

どのような角度で、どのくらいの速さで、プラズマを注入すると

 トランプのエースができるのか、

   スペード、クラブ、ハート、ダイヤ

どれについても、うまい磁場の構造を思いつきません。

 

 

Aキノコ

 地球上で行われた核実験で、キノコ雲ができるのを、写真や動画で

ご覧になったことがあると思います。そこで、できるキノコ雲は、大きな水素爆弾

では、トリュフ(松露)型、広島型の原子爆弾では傘の開いていない松茸

のような「キノコ雲」です。太陽は水素爆弾と同じ原理で燃えていますが、

普段は「キノコ雲」は見られません。しかし、たまに「キノコ雲」のような

プロミネンスが観察できます。

image009

拡大すると

image011

このきのこは、傘が開いています。傘の開きかけた松茸といったところでしょうか。

しかし、エノキタケのように柄が長いので、松茸ではないようです。

時々、庭に生えてくる名前のわからないキノコによく似ています。

 どんな磁場があったら、こんな形になるのか、難問です。

 

 

B矢印

20150324-all02-1矢印t 2015/03/24

↑矢印型のプロミネンスがありました。

キノコの柄が長くなったものと考えられます。

image014

 しかし、それだけではありません。上の写真をよく見てみると、先端の鏃(やじり)

の所は、拡散せずに収縮して根元に戻っていっているように見えます。

 

  本当に水素のプラズマや原子が根元に戻っていったのかどうかは、

ドップラー効果を調べてみないとわかりません。ガスレンジのダイヤルを

開いてあったのを絞っていくと、ガスの炎が小さくなりますが、ガスがレンジに

戻っているわけではありません。火が小さくなっただけです。そんな現象が

起こっている可能性も、この一連の写真だけでは、否定できません。

しかし、仮に上昇した水素が、元の所に下降したのであれば、サージ・

プロミネンスであった可能性があります。

 

(注1)サージ・プロミネンス

  上述のようなプロミネンスで実際にプラズマが上昇して、再び日面に

戻る現象が、繰り返し起こることがあります。サージというのは、英語で

潮の満ち引きのように、上がったり下がったり、増えたり減ったりする現象をさす

言葉です。このため、

  伸び縮みしたプロミネンスを見つけると、すぐにサージ・プロミネンスだと

騒ぎ立てる人々がいて、誤解が広がっていますが、サージ・プロミネンスには、

きちんとした定義があります。

A type of solar active prominence in which material ascends,

then descends, almost vertically.

略垂直に物質が上昇し、その後、下降する太陽の活動型のプロミネンス

Maximum velocities are about 200km/s, and the surge prominences reach heights of 100000km. They often recur in identical locations, and the more active surges occur at the onset of flares. The brightest surges last for half an hour or more

 Oxford Dictionary of Astronomy (2 rev) 

  つまり、上昇した質量が、元の所に下降したことを、確認することなしに、

サージ・プロミネンスであるかどうかは判定できません。

 

  発生する原理については、昭和48年の為永先生の学位論文のころは、

重力で落下するモデルが考えられていました。

為永達郎、「サージ型プロミネンスの速度場( Abstract_要旨 )は、

インターネットで読むことができます。

  最近、マグネトグラムの解像度が飛躍的に進歩し、衛星で観測できるため、

磁場との関係で、いろいろなことが分かり始めているようで、京都大学、

東京大学の方々が、研究されています。最先端のかなり複雑な計測と

シミュレーションの話ですので、ここには書きませんが、興味のある方は、

調べてみてください。

 キーワードは、「サージ・プロミネンス、磁場、京都大学、東京大学、・・・」です。

 

 

Cポッカリ浮かんだ雲

image016  2013/11/24

少し、拡大してみると

image018  2013/11/24

また、2015年にも

image020 2015/05/05

ぽっかり雲が浮いています。

 共通点は、その下にフレア(白く光っているところ)があることです。

2015年のには、その雲とフレアがジェットのようなものでつながています。

この凧の糸のようなところを、フレアに向かって水素が落下しているのか

フレアから雲に向かって上昇しているのか、これだけでは判定できませんが

フレアとポッカリ浮かんだ雲との間に関係があるのだけは確かなようです。

 

 

D複雑なループ

20150416-b10xHab-1140-30-8flames-w_r-rgb-b-1t 2015/04/16

リングなのかスパイラルなのかよくわかりません、それほど活動的でもありません。

このフィラメントは、下の2枚の写真のように、徐々に形を変えています。

image023

image025

結局、よく見かけるフィラメント(アーチ型のプロミネンス)になりました。

活動領域のフレアとの位置関係は、上図のようになっています。

よくわからないので、似たようなものを見つけて、ドップラー効果を調べてみました。

image027

その結果、ますます、どうなっているのか訳が分からなくなってしまいました。

 

 

E黒い雲 発見か (Hα望遠鏡にも写るプロミネンス・バブル)

image029

何かの影が映っているのですが、色違いの光を出していたかもしれません。

 分からない事だらけの太陽、ここまでくると、天上におわす天照皇大神様を

理解しようとすること自体に、無理があるのかもしれませんが、さりとて、

その神様が穏やかにされているのか、怒っておられるのか、そのくらいは、

なんとかして、わかるようになりたいものだと思って、頑張っていました。

 すると、私の写真はHαですが、CaHにも黒雲があることが分かりました。

以下Fをご覧ください。

 

 

F彩層のプロミネンス・バブル(CaH)

image031

京都大学の柴田先生の研究室の記事の中に、陽光衛星のとらえた上図が掲載

されていました。2011年ころの論文や記事ですので、私は発見者にはなれません

でしたが、Hα望遠鏡でも上手に画像処理すれば写るということのようです。

(2)

磯部洋明、「彩層と電離圏のパラメータ比較と物理アナロジー整理」、には、

地球の電離層に起きるプラズマバブル(YouTube)のような現象が太陽にもある

ことが書かれています。

柴田一成他、「太陽プロミネンスのバブルの謎が解明」、には、上記の写真や、

論文が紹介されています。

 

 

G太陽のミステリー・サークル

image033

こんなに、明確なものは少ないのですが、活動領域の黒点の周りに

水平なプロミネンスやフィラメントのサークルがあるのをよく見かけます。

 

 

H人の顔、ニコちゃん

image035

image037

眉毛、目、鼻、口をフィラメントやダークフィラメントが形成しています。

 

 

まとめ

  (9)では、太陽の光球(対流圏の上端)から、コロナに向かって、質量が

どのように供給されるのかを、いろいろな観点から見てきました。太陽を観察して

写真を撮って楽しんだり、研究を将来志す上で、大切なことですので、私なりに

まとめておきます。

 

対流

 対流によって運ばれてきた質量は、光球の表面に、

   グラニュール

   スーパーグラニュール

   プラージュ

   黒点

を作っている。

 

彩層

  質量が彩層を通過するときに

    スビキュール

    黒点

    フレア

    プロミネンス

    プロミネンス・バブル

を形成するが、その関係は非常に複雑でモデル化、理論化が難しい。

質量の移動方向は単純ではなく、一気にコロナへ向かうときもあれば、

一時的に黒点やプロミネンスに蓄積され、

蓄積された質量は、フィラメントやサージで光球に戻ることもあれば、

CMEでコロナに放出されることもある。

 

太陽の磁気圏に乱れのない時

  ・静穏な太陽面もスビキュールなどからコロナへプラズマが供給されていて

   コロナは輝いている。

遷移状態

  ・自転の差動回転のしわに沿って電流ができて、その周りの磁界に

   荷電粒子の作る長いフィラメント(ないしはダークフィラメント)ができる。

  ・その、長いフィラメントは、水素にも、ヘリウムにも、鉄にも、同じところにできる。

  ・光球面の磁場は、長いダークフィラメントを境に反転している。

  ・長いフィラメントは、磁場や転向力などの力で、ちぎれて行く。

活動領域の形成

  ・ちぎれたしわが、次第に電流の渦を作る、

  ・できた渦の回転方向は、単純な力学モデル(転向力)では説明できない。

  ・同様に単純な電磁気学のモデルでも説明できない。

  ・理由は、次のような磁場の反転が起きることや、回転方向が予測に

   反するためである。

磁場の反転

  ・黒点数で見ている活動周期ごとに、太陽の磁場は反転している。

  ・地球磁場の反転は数万年〜数十万年万年ごとであるが、

           太陽では914年で起きる。

  ・磁場の反転には

     極域磁場の反転  

         北極と南極の磁極(S/+N)が逆転するものと

     局所磁場の反転 

         活動領域の前方の大きな黒点の磁極の反転

         活動領域の後方の随伴黒点群の磁極の反転

     と、両方がある。

  ・これを説明するために、ダイナモ理論や結合スピンモデルなどの

   複雑なモデルが提案されたり、衛星による精細なマグネトグラム

   の観測がされているが、まだ、定説といえるものはできていない。

プロミネンス

  ○ジェットやサージ

  ・磁場の影響をあまり受けないで一直線に伸びるジェットがあり、

   質量はそのままコロナに拡散する。

  ・しかし、サージといわれる現象があり、プラズマが途中で

   光球に引き戻されてしまうこともある。これを確かめるのには

   ドップラー効果を調べて見たり、磁場をマグネトグラムで確認

   しなくてはならず、庭先で写した写真だけでは結論は出せない。

  ○スパイラル

  ・磁場が吹き上がったプラズマの進行方向と浅い角度にあるときに

   ローレンツの力をうけて螺旋状のジェットを形成する。

  ○フィラメントやダークフィラメント

  ・磁場を横切る方向に噴出した質量は半円を描いて光球に戻る。

  ・角度と速度がちょうど良ければ、円(サークル、ループ)を描く。

     フレアの噴気がフレアのピークのあとにサークルを描くと

     ポスト・フレア・ループと呼ぶ。

  ・フレアや黒点の周りやその上空には、水平なサークル(ループ)状の

   フィラメント(プロミネンス)もできる。

  ○並木のようなフィラメント

  ・大きなアーチ状の磁場に複数のスパイラルやループが重なると

   並木のようなプロミネンスができる。

  ・並木状のフィラメントは複雑なループが複雑な運動をして形成される。

  ○スペード、クラブ、ハート、ダイヤなど、

  ・磁場のモデル化が難しい複雑な形状のフィラメントができる。

  ○プロミネンスに蓄えられた質量

  ・磁場の影響でプロミネンスとして蓄えられた質量は、

    サージ、フィラメントの端点、浮かんだ雲からフレアなどの磁極に

    吸い込まれるように落下するときと

    プロミネンスの崩壊とともに大小さまざまなCMEとなり、

    コロナへ放出される

コロナでのプラズマの加速

  ○ジェットの先端のドップラー効果を観察すると、

   質量はコロナに向かってどんどん加速されていく。

   これは、力学モデルに反する現象で、メカニズムはまだ未解明である。

目に見えないプロミネンス・バブル

  ・プロミネンスやスビキュールを背景にした黒い影が見えるが、

   これは、地球の磁気圏で起きているプラズマ・バブルに似た現象と思われる。

  ・衛星では2011年ころまでにCaH帯域で発見されていて、

   その後、2016年には地上のHα望遠鏡にも写った模様である。

ということで、とても太陽は危険なだけではなくて、難しいもののようです。

 

最後にもう一度教訓

  太陽の蘊蓄(うんちく)1枚の写真から語るべからず。

  Don't talk too much, with a sihgle shot of photograph.

                                              Yoshio

 

 

 

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