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02太陽 

02 太陽の目次へ戻る

 

8. コロナへの質量放出CMEへ戻る

9. コロナへの質量の供給メカニズム

(3)活動領域の生じる過程へ戻る

(4)活動期毎に反転する磁場

 

 

 ここでは、太陽が簡単なものではないことを、簡単に説明してみます。

しかし、それでも少し難解な話になります。それを、ご容赦の上読んでいただくか、

読み飛ばしていただくかは読者の方に委ねます。

 わからないとか、つまらないと思われた時には、(4)は読み飛ばしてください。

また、拙宅には上述したようにマグネトグラムは設置できませんので、自分で

写した写真がありません。出所をすべて示しておきますので、写真に興味のある

方は、それぞれ原典をあたってください。

 

@単純な力学モデルでは説明できない差動回転

 地球の大気や海流の流れ方は、力学の簡単なモデルで説明できるのですが、

そのモデルでは説明がつかないのが、太陽の差動回転のメカニズムです。

  

 転向力(コリオリの力)は回転する球面を質量をもつものが移動するときに受ける

力です。下図は、A点から真北にあるB点に向かって進む場合を示しています。

image002

Aにおいてあるものは、何もしなければ、自転のため、そのままBに進みます。

Aにおいてあるものを、真北に動かして、Cへ動かすことにします。

ところが、AからCに向かって、物が進むと、Eに到達します。

円周の長さが異なるのが原因で、地点ABの位置にあり、

CDに来ています。

しかし、AからCに向かったものは、Eにきていますので、

何かの力で、DからEに押されたように錯覚します。

これが、転向力です。

この転向力は北半球では

   進行方向に対して右に進路をずらせます。

南半球では

   進行方向に対して左に進路をずらせます。

地球のことをかんがえているのであれば、以下のように、これで説明ができます。

 

地球の海流や気流は

   赤道上を東から西に流れて、高緯度で西から東に流れています。

つまり、海流や気流は転向力の作用で、大域的、広域的には

  北半球で右回り

  南半球で左回りに回っています。

 

地球の海流は北半球で右回り、南半球では左回りに回っていて、

赤道上で東から西に流れています。

image004

1.黒潮、2.親潮、3.北太平洋海流、4.北赤道海流、5.赤道反流

6.南赤道海流、7.南インド海流、8.南大西洋海流、9.北大西洋海流

10.南極海流、11.カリフォルニア海流

(注1)気象庁ホームページの世界の主な海流より

 

地球の気流は、赤道付近で東から西に、高緯度で西から東に流れています。

いづれも、地球の自転速度よりは遅いので、雲に注目してみると、地球は、

赤道付近でゆっくり自転し、高緯度で速く自転しているように見えます。

2017-1005-1430-JST-earth-1

2017/10/03 14:30 JST 気象衛星の全球の赤外線写真

(2) 気象庁ホームページで、全球の衛星写真の動画を見てみてください。

 

 

 

太陽ではどうでしょうか、

image007

 もう一度、太陽の差動回転を思い出してください。赤道付近が速く回り、

高緯度になるとゆっくり回転していますので、地球の海流や気流とは逆に

なっています。つまり、転向力では差動回転の、説明がつきません。

  こうなると、別の原理を使ったモデルが必要になります。

その話を始める前に、こうした、大域的な全球での現象とは別に、局所的な

現象についても、見ておきましょう。

 

A局所的な力学モデルで太陽の活動領域を説明できるか

地球の流体の局所的な渦といえば、低気圧と高気圧です。

image009

 中心に風の集まる低気圧や台風、ハリケーンなどは

  中心に向かう風が

    北半球では右にずれるので、左巻きに渦を作ります。

    南半球では左にずれるので、右巻きに渦を作ります。

 中心から風の吹き出す高気圧では、外に向かう風が、

   北半球では右にずれるので、右回りに風を吹き出しています。

   南半球では左にずれるので、左回りに風を吹き出しています。

 

 

次に、太陽の局所的な現象を見てみましょう。

  長いダークフィラメントがちぎれて行って、活動領域ができました。

長いダークフィラメントに平行に電流つまりプラズマの流れがあるらしいことも

見てきました。ダークフィラメントがちぎれて丸い電流ができているところが

活動領域のようです。では、その丸い電流の向きを考えてみましょう。

image011

環状電流が右回りに回っていれば、中心には−の磁極(S)ができ、

環状電流が左回りに回っていれば、中心には+の磁極(N)ができます。

2017-1001-Mag

(3) SolarMonitor.orgより

2017/10/01 03:27 UT Magnetogramの画像です。

 

北半球の黒点が黒で−(S)極、南半球の黒点が白くて+(N)極です。

すると、電流の向きは、下図のようになりますので、

image014

北半球で右回り、南半球で左回りです。

  活動領域が、太陽の内部から吹き出してくるプラズマの吹き出し口であり、

吹き出したプラズマが周囲に向かって広がっていくのであれば、地球の高気圧と

同じですので、この回転方向は、力学の転向力のモデルと矛盾しません。

  地球でも北半球にできる台風の低層雲は左回りに回転していますが、

強い台風の上空には高層天気図上の高気圧があり、台風の目から

上昇して周囲に広がる高層雲は右回りに回転しながら成層圏のすぐ下の

対流圏の上端に広がります。

  しかし、今回の活動期のもう一つ前の活動期には、

2001-1101-Mag

  2001/11/01には北半球の黒点が白く写っています。

2002-0401-Mag

  2002/04/01には、北半球の黒点が白、南半球の黒点が黒く写っています。

環状電流の向きが逆になっていますので、この時期の活動領域は

地球の低気圧のように、周囲のプラズマを集めて、コロナに向かって吹きあげて

いたのでしょうか。

  こうなると、転向力のモデルでは説明がつきません。

ここでも、すでに電磁気学の助けを借りて、電流の向きを推測していますが、

次には、電磁気学的な太陽のモデルについて、考えてみましょう。

 

 

B単純な電磁気モデル

  理科年表、天文、「太陽、惑星および月定数表」を見てください。

太陽の扁平率は0と記載されています。略完全な球体です。

しかし、この表は少数点以下4桁の表ですので「0」と記載されてしまいますが

太陽は約1/100,000、もう少し正確には、9/1,000,000だけ赤道半径が

大きな回転楕円体です。

  それを、少し誇張した絵を描いたものが下図です。

image018

  対流は、グラニュールやスーパーグラニュールで起きていますので、

個々の対流ごとに電流の流れがあるのに違いないですが、描き切れませんので

大雑把に描いてあります。正確ではありません。

  同表の太陽の赤道半径は696,000Kmですので、赤道半径が約6,264m

膨らんでいるようです。厚さが6Kmもあり幅が数十万Kmもある電線を想像

してみてください。莫大な電流を流すことができます。

image020

実際には、水素のプラズマは陽子ですので、プラスの電荷です。

太陽が差動回転しているということは、赤道を西から東に(CMDでは

東から西に)プラスの電荷が流れています。

言い換えれば、赤道に沿って大きな電流が流れているということです。

  すると、右ネジの法則で、上図のような磁界が発生するはずです。

太陽の北極が+(N)磁極、太陽の南極が−(S)磁極になります。

地球では方位磁針のN極が北に、S極が南に引き寄せられますので、

地球の北極には−(S)磁極、南極には+(N)磁極がありますので、

このモデルとは逆になっています。

  さて、太陽がそうなっているか確かめましょう。

image022

(4) 塩田大幸、 「太陽周期活動と太陽極域磁場」、天文月報、2016/10

より、ひので衛星のマグネトグラムの画像です。

北極に白、+(N)磁極、南極に黒、−(S)磁極がありますので、いつもこうなら、  

めでたく、電磁気学モデルで説明ができます。

しかし、これも、前の活動周期には、下図のようになっていました。

image024 出所 同上

  20122013年には、太陽も地球と同じく、

    北極に黒い−(S)磁極、南極に白い+(N)磁極

がありました。

  それでは、その時には、赤道付近の自転速度が遅かったのでしょうか、

しかし、そのようなことはありませんでした。ずっと変わらずに赤道付近が

速く自転していました。

  というわけで、電磁気モデルも、単純なものでは太陽は説明できません。

 

 

Cまとめ

  太陽の差動回転や磁場の反転は、単純な力学モデルでも、単純な電磁気

モデルでも説明がつきません。

  太陽の磁場の反転には、

    南極と北極の極域の磁場の反転と、

    局所的な活動領域(黒点の周り)の磁場の反転とがあり、

どちらも単純な力学モデルでも、単純な電磁気モデルでも説明できません。

  このため、ダイナモ理論モデルや結合スピンモデルによる数値解析や

衛星のマグネトグラムによる高解像度の磁場の観測など、なんとか説明が

できるようにしようと研究が進められています。

 

(5)かなり、難しい論文になってしまいますが、以下のものが参考になります。

塩田大幸、 「太陽周期活動と太陽極域磁場」、天文月報、2016/10

鳥海 森、「太陽浮上磁場と活動現象―シミュレーションと日震学による研究」

天文月報 2014/11

横山央明、「太陽活動現象の磁気流体シミュレーション」、宇宙磁気流体プラズマシミュレーションサマースクール2012.8.6.

森川雅博, 中道晶香, 毛利英明、D.Schmitt、A.Ferriz-Mas、J.Wicht

「結合スピンモデルによる地磁気・太陽磁場反転のダイナミクス」

数理解析研究所講究録、第1776 2012 174-185

日米ひので可視光望遠鏡チーム、「「ひので」による太陽の新しい磁場生成機構の発見について」、資料 

この資料にはグラニュールの粒の周りの磁場構造まで観測できるようになったことが

示されています。

 

 

 

(5)活動領域からコロナへの質量の供給へ進む

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