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02太陽 

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5. 太陽光の分光

(1) NDフィルターを利用した太陽の観察へ戻る

 

(2) フラウンホーファー線へ戻る

 

(3) 影の正体を写すCaKフィルターへ戻る

 

(4) Hα線のフィルターへ戻る

 

 

(5) Hα線の写真に写るもの

  (4)では、太陽をどのようにして、Hα線(フラウンホーファー線のC)付近の光で撮影するのか、最も簡単なフィルターを例にして、説明しましたので、次に、Hα線のフィルターを使うと何が撮影できるのか少し見ておきましょう。詳細は個々に別のページで説明します。先ずは、最も危険なものからです。

 

(注意)

  モニターに投影した太陽を見せてあげているときに、望遠鏡をのぞいてフレアを見たがる人によく出会います。正気の沙汰ではないので、そのことを言うと、不機嫌な顔をされ、ひどい時には叱られます。しかし、やはり、正気の沙汰ではありません。

  フレアは、太陽でおきる大規模な核爆発現象です。水素爆弾の閃光は数千分の1秒で終わりますが、フレアは数分から、数時間、時には数日にわたることもあります。そして、目に見える閃光の他に、X線、γ線、中性子線、・・・と、ありとあらゆる放射線が飛んできます。もちろん望遠鏡の対物レンズや主鏡で、その放射線が収束されます。そして、目から入り脳を貫通します。病院でレントゲンを一瞬かけるのにも、あれだけの防護をするのに、どうして、見てもよいと思われるのでしょう。多分、被爆の被害がすぐに起きないためではないかと推測しています。知り合いに広島や長崎で原爆の被曝をされ、70年以上たっても原爆症で苦しんでいらっしゃる方が、何人かいらっしゃいます。発症されたのは、皆さん十年、二十年、三十年経ってからの事です。被爆直後の広島や長崎で被災者の救助活動をしているときには、被爆していることには気づかなかったそうです。

 さらに、フレアのある時には、接眼レンズを覗かなくても大変危険です。紫外線の量だけについてみてみても、大きなフレアの時には非常に強く、1秒か2秒で数時間分の光を受けることもあります。日焼けや皮膚癌に気を付けなくてはなりません。これも、その時には何でもありません。早くて数時間、私のような年寄りは23日してやっと皮膚が赤くなったり黒くなったりしてきます。皮膚癌などは何年、何十年後に発症します。なるべく、日影に置いたモニター画面を見るようにしましょう。

 NDフィルターなどの観測では、フレアが起きているかどうかはわかりません、知らない間に放射線に被曝するわけです。気にしない人の事は、私は関知しませんが、私は、止むを得ない調整が必要な時だけにして、めったに接眼レンズで太陽をのぞいたりはしません。

 

 

@フレア

  どのようなものか、まず、見ていただきましょう。

image002

2013/05/01 10:25

白く光っているところがフレアです。

最初は地球の大きさの数倍程度の光の塊でした。

image004

10:35

わずか10分後には、こんなに大きな爆発になりました。

image006

10:51

26分後には少し下火になりましたが、まだ、随分大きなままです。

クラスC9.1のフレアです。Hα線のフィルターを使うと、このようにフレアが写ります。

 

 

 

 フレアのクラスはGOES衛星で計測したX線の強度のピークの値で測っています。

このため同じクラスのフレアでも1秒で終わってしまうフレアと1分間続いたフレアとでは、X線の被爆量は60倍違いますし、1時間その強度が続けば3600倍の違いになります。

 

X   GOES衛星で観測

クラス

W/m2

X

10-4

M

10-5<10-4

C

10-6<10-5

B

10-7<10-6

A

<10-7

波長100800pmX線の強度

 

Users Guide to The Preliminary Report and Forecast of Solar Geophysical Data August 2012, NOAA Sace weather prediction centerより

 

 

(1) NOAA Space Weather Prediction CenterNational Oceanic and Atmospheric AdministrationCurrent Space Weather Conditionsで、太陽から来ているX線の強度を見ることができます。

また、このX線強度は宇宙天気情報センターのページでも見ることができます。

 

 

 

 

 

フレアのクラスは対数スケールになっていますので、クラスが一つ上がるとX線強度は10倍、2つ上がると100倍、3つ上がると1000倍になりますので、XAでは10,000倍違います。

クラスの大きなフレアは持続時間も長いことが多く、Xクラスのフレアになると、何分も続くのが一般的です。このため

   強度×持続時間

で決まる被爆量は数万倍にも、数十万倍にもなります。

  常時観測されていない他の放射線も同様に変化しているものと考えられますので、とにかく気を付けておいた方が良いと思います。再三、危険について書いているのは、このためです。

 

 

 

Hα線の撮影によるフレア強度の測定

image008

上の写真では、フレアは白く輝いてしまっていますので、その輪郭や明るさの違いは判りませんが、左のように少し露出を低め(アンダー)にして写します。すると、輪郭もはっきりしてきますし、明るさの相違も見えてきます。

 GOES衛星で測定したX線強度をフレアの強度のクラス分けに使うようになる前は、このような写真を撮ることで、測定していました。

 

(2) 昔は、もちろん白黒写真でした。国立天文台太陽観測所のページで、使用していた赤道儀太陽のフレアの写真を見ることができます。

 

 

 

Hα線  

クラス

平方°

4

24.8

3

12.524.7

2

5.212.4

1

2.15.1

0

2.0

 

FNB

 

B

brilliant  鮮やか

N

normal 並

F

faint  淡い

 

 

 

flare, Space Weather Glossary, Space Weather Prediction Center

National Oceanic and Atmospheric Administration より

 

 

 

なぜ、懸命にフレアを観測するかというと、フレアで、様々な被害が発生するからです。

 フレアが発生すると、強い電磁波が地球に届きます。また、フレアに伴い、大規模な

コロナへの質量放出CME Colonal mass ejectionが起きると、その質量が強い太陽風に

なって地球に届きます。このような放射線は、電離層の状態を攪乱しり、衛星や航空機

の通信系統や電気回路、電子回路に異常電流を流したり、地上の送電線で異常を

起こしたりと、いろいろな被害を起こします。テレビの報道などによると、名古屋大学太陽

地球環境研究所の増田公明准教授によると775年の屋久杉には、ほかの年の20

の炭素14があったそうですので、時折ものすごい太陽フレアか超新星爆発の影響を

地球が受けることがあるようですので、そんなときに太陽や星を見ていたら大変な目に

合うことになります。

 

いろいろなフレアの写真については、各論を後述します。

 

(3) フレアについてのページ

☆インターネットで見ることのできるフレアのクラスの日本語の解説が、

    ウイキペディアの太陽フレアにあります。

☆速報や、発生した日面座標などを知りたい方は、

 SolarSoft の Latest Event

に、写真やNASA SDOのデータが刻々改定されています。

これを見る時は、活動領域の番号が4桁表示ですので、注意してください。

AR123452345と表示されています。

また、発生位置はCMDで表示されていますので、太陽の東西ではなく、

地球の東西でEW east-westが表示されている点も注意してください。

☆観測衛星「ひので」については、宇宙情報センターのホームページに、概要があります。

GOES衛星については、米国の海洋大気局NOAA の Geostationary satellite server

説明があります。

NASASOHOのページでは紫外線領域の太陽の様子も写真や動画で見ることが

できます。

 

(専門的になりますが、)

☆フレアの分類については、総合通信機構の大木健一郎さんの論文

 大木健一郎、X線、粒子線、電波によるフレアの分類と予報」、『通信総合研究

季報』、Vol.35 7198911月、pp.43-47.

がインターネットでダウンロードできます。インパルス型と、グラデュアル型の分類がして

あります。

☆フレアがどのようなメカニズムで放出されるのかという難問については、京都大学の

川手朋子さんの論文

 川手朋子、「太陽フレアにおける電波バーストのセンター・リム変動」、『天文月報』、

106巻、第5号、20135月、pp.328-33.

がインターネットでダウンロードできます。

 

☆まとめて、天気予報のように危険を知りたい方には、前掲の

 宇宙天気情報センターの宇宙天気ニュース

があります。

 

☆フレアの被害については

「太陽嵐」、「磁気嵐」などのキーワードでインターネット検索をすると、沢山出てきます。

 

 

 

Aプロミネンス(太陽紅炎)

 プロミネンスには大きく分けて2つの種類があります。活動型と静穏型です。

これが活動型です

image010

2013/10/27 09:31

午前中は静かでした。

image012

14:02 

様子がおかしくなりました。

image014

14:38

水素を吹き上げ始めました。

image016

14:43

吹き上がった水素が拡散し始めました。

image018

14:57

角張った奇妙な形になりました

image020

15:04

薄くなりました

image022

16:20

消えてしまいました。

 

 

静穏型のプロミネンス

image024

2015/03/27 09:45

朝はこんな形でした。

20150327-10Ha-1044-45-8flames-w

10:45

どこが変わったかわかりません

image028

11:40

どこが変わったかわかりません

image030

12:38

どこが変わったかわかりません

image032

13:39

どこが変わったかわかりません

image034

14:39

どこが変わったかわかりません

image036

15:39

どこが変わったかわかりません

image038

16:40

どこが変わったかわかりません

 

一日中殆ど形が変わりませんでした

 

 この日は沢山写しすぎて、最後の1枚以外処理が最後までできていませんが、殆ど

形が変わらなかったのだけは、よくわかると思います。

プロミネンスについては、いろいろな種類のものがあり、ここには書ききれませんので、

ページを改めて、後述することにします。

 

 

 

Bスピキュール

 

 

image040

2016/01/10 11:24 の太陽です。

  太陽の表面は、全体に広がった赤い雲のようなもので覆われています。

その赤い雲のようなものを拡大して写したものが下の写真です。

image042 2016/05/13 

  左から、右のほうに行くにしたがって、拡大してあります。太陽の外周を横から拡大して

見ると、絨毯(じゅうたん)の毛のように見えます。この毛先11本をスピキュールspicule

(とがった針)と呼びます。

 

image044 2016/05/13

 白黒写真にしてみると、綿毛のようです。カラー写真の普及する前は、こんな白黒写真

しかありませんでした。

 

 

C活動領域Active region

上のBの最後の写真をトリミングする前の写真です。もう少し広い範囲が写っています。

image046

絨毯(じゅうたん)に穴が開いています。

 

image048

 後に詳しく説明しますが、その穴はこの写真に写っている白く光っているフレア、つまり、

とても高温で、しかも、高速度で上昇する主に水素のプラズマによって、温度が比較的

低いスピキュールやプロミネンスが吹き飛ばされてできた穴です。

  ゴルフ場では穴の周りをグリーンと呼びますが、太陽ではこの穴の周りを活動領域

Active regionといいます。

 

image050

 活動領域の番号は、次の条件のどれかが観測された順番に附番されます。

   ☆ 一定の条件を満たす黒点群がある

   ☆ フレアを発生させた

   ☆ Hα線で撮影した白い部分の大きさが太陽の緯度か経度の5°を越えた

 AR12453Active region 197215日から数え始めた活動領域の12,453番目

のものという意味です。

 

 

(4) 定義の詳細を必要とする方は、NOAASpace weather prediction centerUsers

Guide to The Preliminary Report and Forecast of Solar Geophysical Data August 2012を参照して

ください。インターネットで検索してpdfファイルをダウンロードできます。

 

本件には注意事項が2つあります。

☆現在の活動領域の附番システムは、197215日に運用が開始されました。

2002614日にAR10000になりましたが、その後も4桁表示のコンピュータが

まだ残っています。このような4桁表示のコンピュータでは2002年以後、AR10123

AR0123と表示されてしまいます。このため、活動領域の写真を写した時には、頭に1

を付けて5桁で表示するのを忘れないようにしてください。2032年前後にはAR20000

になるものと思います。

☆もう一つは、太陽は27日かけて自転で一周していますので、見えなくなってから

2週間後には、また、同じ活動領域が戻ってくることがあります。この時には、戻って

きたことに構わずに、新しく番号が附番されます。従って、同じ活動領域が複数の

番号を持っていることが良くあります。

この2件、どちらも、納得してくださらない方に時々出会いますが、ぜひ、

NASAのQ&Aを参考にしてください

小学校からの質問に対する回答が示されています。

 

 

(5) ダブリンのトリニティーカレッジ(アイルランドの上智大学や南山大学に当たる大学)

太陽観測のページが、どこに現在活動領域があるのか、見やすくて便利です。

過去のものも見ることができます。また、裏側や、様々な周波数帯のもの、磁気の写真

もあります。

 

 

(6)ドップラー効果へ進む 

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