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天体のペ

 

02 太陽 

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3.望遠鏡を使った黒点の投影

2.太陽の投影へ戻る

 

(1)朝日や夕日に見える黒点の観察へ戻る

 

(2)回折とその回避へ戻る

 

(3) 拡大投影の原理へ戻る

 

 

(4) 拡大投影の歴史と技術革新

 以上に、述べてきました太陽観測に関する投影の歴史と、技術の革新について要約するとともに、 それぞれの、技術段階でどのように投影するのか、また、その結果、太陽がどのように見えたり、写ったりするのかまとめておきます。

 

 

 

@太古の昔

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太古の昔より、自然にあるもので太陽は投影されています。

例えば、この木漏れ日の太陽

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これを人工的に作るのには、穴をあけて、そこに日の光を通します。

針穴写真

ピンホールカメラ

 

 

 

A天岩戸(あめのいわと)の時代

 

平面鏡の時代

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一枚の平面鏡で投影した日食です

太陽を投影すると、木漏れ日よりも

日食は少し鮮明に観測できるようになります

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伊勢神宮の紋章です

中心の丸が太陽かもしれません

そうすると、四方に、

日食時のコロナ

普段のハローがあり、

菊の花びらは雲間から差す太陽の光

 

 

 

B天岩戸(あめのいわと)の時代の技術進歩

鏡面を凹面にすると

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画像はかなり改善しますので、日食は鮮明に観測できるようになります。しかし、回折のため、黒点のように小さなものは、まだ見えません。しかし、月の直径と日食の戸の直径が一致していることくらいは、わかる程度には画像は改善しています。

その結果、日食の原因が月であることが分かります。

              月 = 天の岩 = 食を起こす遮蔽物 =

 

(1) もし、当時カメラがあれば

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凹面鏡1枚でも、焦点距離を短くすれば、回折のない鮮明な像が得られますので、黒点を撮影できます。その写したものを、左のように拡大してモニター上やプリント紙の上に映し出して、細部を見ることができますが、当時はカメラはなかったと思われます。

D=70mm  f=700mm  a2=6.3mmしかありません。

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目で見るとこんなに小さいので

黒点があるかどうかはよくわかりません

 

C神武天皇の時代

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熊野本宮と那智大社の八咫烏

八咫鏡(やあたのかがみ)に写る八咫烏(やあたのからす)

この写真は屈折望遠鏡にカメラを付けて写した黒点ですが。これが左のように記録されたということは、神武天皇のころには黒点が観測できたものと思われます。

 

 

2枚の凹面鏡よる拡大投影

 2,700前の神武天皇のころまでに黒点の観測が可能になったと思われる技術が、凹面鏡2枚を利用した、拡大投影法です。

青銅鏡は高価ですので、ガラスにアルミメッキをした鏡で我慢してください。

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 これは、金杯ですが、鏡がこんな風に立てかけてあるのを、神社でご覧になる機会は多いと思います。撮影はできませんので、金杯で代用しておきます。傾斜を変えて太陽に凹面鏡を向けます。

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1枚目 

f1 = 1,000mm

D1 = 100mm

F1 = f1 / D1 = 10

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2 枚目 

f2 = 40mm 

D2 = 30mm

F2 = f2 / D2 =1.3333

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赤道儀に乗せてこんな状態で投影しました

  日除け   左端の食品トレー

  スクリーン 赤道儀の左のボール紙

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主鏡が反射した光は

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副鏡でもう一度反射

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こんな像を結びました。

丸の中が黒点です。

スクリーン、副鏡、カメラの配置が悪く

少し、つぶれています。

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調整すると

 このように、黒点の形も正しく投影できました。

カメラは人の目よりもダイナミックレンジが狭いので、きれいな写真が撮れませんが、この写真よりも実際はずっときれいに見えます。

つまり、たくさん発掘されている青銅鏡を使うと、太陽は投影できます。

 各地の天文台の大型反射望遠鏡を使った投影装置では、大きく黒点を投影して細かいところまで黒点が見えますが、それと同様に、八咫鏡(やあたのかがみ)は大きな鏡だそうですので、相当細かな黒点の暗部や半暗部の観測が可能であるものと推測できます。

 

(2)  この方式の反射望遠鏡の2枚目の鏡を凸レンズに置き換えたものをハーシェル式といいます。反射望遠鏡の種類については、Canonのサイエンス・ラボの「色々な反射望遠鏡」がわかりやすいので興味のある方は参考にしてください。

 

  凹面鏡2枚で、投影できるのは、黒点だけではありません。

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月も投影できます。

主鏡が  

  D1 = 254mm

  f1 = 1,200mm

副鏡1が 楕円形平面鏡

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副鏡2が 

  D2 = 40mm

  f2 = 40mm

 

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拡大投影の合成焦点距離は、

     fo ≒ 6,000mm

です。

 

 

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惑星も、金星くらいなら投影できます

 

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そして、ただの点や丸ではなく、ちゃんと半月型に投影できます。

つまり、たった直径が8寸余りの私の鏡(反射望遠鏡の主鏡)で、これだけ投影できるのですから、古墳から出てくる青銅鏡、さらに八咫鏡(やあたのかがみ)ならば相当な観測が可能でしょう。

弥生時代の観測を侮(あなど)る可からずということのようです。

 

D中世には

 ガラスを磨いて作るレンズが発明されました。

当時のような精度の良くないレンズで実験、

つまり、2枚の球面レンズによる太陽投影機

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1枚目老眼鏡のレンズf1=1000mm

2枚目虫眼鏡  f2=100mm

掃除機のパイプの両端につけて合焦

箱の中の紙に投影、・・・・・明るすぎました、

また、2枚目のレンズの加工精度もよくなかったので、

黒点はまぶしくて見えません。

日食の観察には使えましたが、

向きがずれると、パイプが発火する危険があり、解体しました。

 

 

 

E大阪冬の陣、夏の陣のころ

 レンズの精度が良くなり、望遠鏡が天体観測にも使えるようになり、レンズ2枚で黒点が見えるようになりました。1611年にケプラーが考案して、1615年にシャイナーが作った凸レンズ2枚によるケプラー式望遠鏡による投影です。

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1枚目 対物レンズ

 D = 120mm  f = 1,000mm を

2枚目 接眼レンズ

 D = 28mm  f = 40mm

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そのままでは明るすぎて、カメラには映りませんので、対物レンズの前に絞りを入れて

D = 50mm  f = 1,000mmで投影

 

 

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1メートル余りのところにおいた、スクリーンに投影しました

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黒点が見えています。

しかも、かなりきれいに見えます。

 

F徳川幕府四代将軍家綱のころ

1668年ニュートン式望遠鏡が作られたことにより、凹面鏡1枚、平面鏡1枚、凸レンズ1枚による投影ができるようになりました。

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このように、ニュートン式では横に投影できますので、ケプラー式よりも狭い場所で投影可能で、同じ大きさの像を得るならば、全長は半分以下のスぺースで、投影が可能です。

D = 254mm (10インチ)

f = 1,200mm で、投影しているところです。

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主鏡が鏡なので、色のずれが発生しません。黒点がきれいに観察できます。

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口径が大きすぎて、明るすぎて、写真が写りにくくなるのと、なんといっても、高温になり危険なため、絞りでD=50mmにして撮影しました。

 

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D1 = 50mm

f1 = 1,200mm

D2 = 28mm

f2 = 40mm

です。

 

 

 

Gニュートン式の鏡とレンズを逆にしたら

  ニュートン式は、1枚目が凹面鏡、二枚目がレンズでした。

 順序を逆にして、1枚目をレンズ、二枚目を凹面鏡にしたらどうなるでしょう。

 当時の人々も試したに違いありません。

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こんなもので試してみました。

1枚目のレンズ

 D1 = 70mm

 f1 = 700mm

 F1 = f1 / D1 = 10

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2枚目が、凹面鏡、かがみです。

2枚目の、仕様は

 D2 = 30mm

 f2 = 40mm

 

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黒点が投影できました。

しかし、決定的な弱点があります。

太陽の像の斜め右上と、斜め左下がにじんでいます。これは、鏡の面をレンズの面に平行にできないために生じている焦点のずれです。

 平行に置くと、像を投影できません。ニュートンは、主鏡の焦点の少し手前で、光束が細くなったところに小さな楕円形の平面鏡を置きました。その平面鏡で光を直角に曲げて、それを見たり、投影したりする接眼鏡に、レンズを使うことで、この問題を回避していたわけです。そして、1枚目を凹面鏡、副鏡に小さな楕円形の平面鏡、2枚目を凸レンズにするニュートンの方式が、光軸が合わせられるので、綺麗な像ができるため、普及することになりました。

 

 

 

 

 

 

H昭和〜平成の投影

 

もっと、最近になると、もっと短い実長で、長い合成焦点距離を作り出し、回折を起こさないで合成焦点距離を延ばす技術が使われるようになりました。

凹面鏡と凸面鏡とレンズの組み合わせなどという方法もあります。

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1枚目は合成凹面鏡

凹面鏡の焦点距離を短くしておいて、凸面鏡で長焦点にして、少し大きな像を作ります。

これを、カセグレン式といいます。鏡2枚の合成焦点距離は、f=1,035mmになっていますが、外形寸法は370mm カセグレン式では、鏡筒の全長を合成焦点距離の1/3程度にできます。

2枚目 f2=20mm 接眼レンズ

ピザトレーで日よけ、食品トレーに紙を貼ったスクリーン上に投影すると、黒点が見えました。それをカメラで写したものです。

 

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紙に正方形を描いておき、左の写真のように、その中に太陽を投影します。写した写真は斜めになります。

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 その写真のアングル補正をすると、左のような丸いきれいな太陽の写真になります。小さな黒点も写っています。

 アングル補正機能は、一部のカメラについていますが、ついていないものもありますので、カメラの取扱説明書を調べて見てください。

 

 

 

 

 さらに、その前に特殊なレンズを組み合わせて、シュミット・カセグレン式という、合成焦点距離は長いけれども、外形寸法がもっと短い望遠鏡もあります。シュミット・カセグレン式では、鏡筒の長さは合成焦点距離の1/41/5に設計することができます。つまり、各レンズや鏡のFが小さいため、回折が殆どありませんので、鮮明に見たり写したりできます。

 

シュミット・カセグレン式は所持していませんので、注2のページや各メーカーのページをご覧ください。

 

(3) T. Yoshida ホームページ 『天体写真の世界』 天体望遠鏡の種類と仕組み

にも、最近の様々な望遠鏡の構造が解説されています。

 

 

I実在する凹面鏡の青銅鏡(多鈕鏡たちゅうきょう)

  古代の青銅鏡に関して、古文書による記録の確認は困難であると思っています。

その理由は

  乱により、木簡か竹簡に記録されていた日本の正史である天皇記が焼失してしまい、

そのため古事記と日本書紀が編纂されており、その時におそらくは天体観測の

記録も一緒に焼失している可能性が高い事。

  もう一つのルーツである高句麗で書記官が置かれたのは、広開土王(高談徳

コウタムドク)の時代であり、それ以前の記録があるのかどうかわからないためです。

しかし、手掛かりがないわけではありません。

 

  古墳などから出土する青銅鏡の殆どは平面鏡か凸面鏡のようですが、唯一の例外が

あり、多鈕鏡(たちゅうきょう)と呼ばれる青銅鏡です。裏面の固定用の鈕(穴のある金属の

突起)が複数あるため、この青銅鏡は多鈕鏡と呼ばれています。

  天体観測に使用するには、主鏡はしっかり固定しなくてはならないため、固定金具は

1か所ではなく、少なくとも23か所必要です。複数個所で固定すれば、光軸調整も

可能になります。

 そして、その出土した場所の分布は、宮里によると次図のようになっていて、多鈕細紋鏡の

分布は、倭の国の勢力圏、多鈕粗紋鏡の分布は、高句麗の勢力圏に一致しますので、

日本の八咫烏と高句麗の三足の烏がそれぞれの地域で観測されていたと推測できます。

このことから、多鈕鏡は祭祀の道具というよりは、天体観測の道具てあった可能性が、

高いのではないかと思っています。

 

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宮里 修、「多鈕鏡系統図」より

 

 

(謝辞)多数の青銅鏡を所蔵されている、伊都国歴史博物館に問合せ、糸島市教育委員会 文化課から、多鈕彩細紋鏡という凹面鏡があることを知らせていただけました。ありがとうございました。

 

 

J古代の望遠鏡か?

  上述の多鈕鏡の中で2枚が1か所から発掘されたものがあります。

小郡市のホームページにある福岡県小郡若山遺跡土坑出土品です。

小郡2小郡1

小郡市のホームページより

直径が15.3cm16.0cmだそうですが、2枚がセットで瓶のケースに入っていたようです。

1枚は瓶の中に入っていて、もう1枚で蓋ができるようになっています。

背面の模様は、私には分度器のように見えます。

 

  上述の通り、2枚凹面鏡があれば、拡大投影ができます。上述の例では、2枚目の

凹面鏡は口径が小さくて焦点距離が短いものを使いましたが、これは、望遠鏡の操作から

撮影まで、すべて私が一人で行えるようにするためです。また、団地の専用庭の狭い空間で

投影するためには、短焦点の凹面鏡が必要でした。

  しかし、広い場所で、何人かの人手がある場合には、焦点距離がある程度長くても、

3.(3)Bに示したように任意の倍率で投影することができます。

 

 従って、この2枚の鏡は、ポータブル天体望遠鏡として使用されていた可能性があります。

 

 

4.太陽光の分光へ進む

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