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3.「もくげ(むくげ)」の花の種類

 

もくげ(むくげ)は世界的に植えられているだけのことはあって、

非常に多くの種類があります。

特に、この日本には、60歳を過ぎた私が初めてみるもくげ(むくげ)が、

毎年数種類もあります。良い国に生まれたと思っています。

その何割かには、固有の名前が付いています。

日の丸、宗旦、紫杯、・・・・

しかし、固有の名前を覚えてみても、所詮、全てのもくげの花の種類は言い表せません。

その位、たくさんの種類の花があります。これがもくげ(むくげ)の楽しいところです。

どんなもくげ(むくげ)に出会っても、その種類をうまく言い表せれば、

人からは一目も二目も置いてもらえるようになります。

「もくげの通(つう)だね」といわれるわようになります。

家内にいわせると単なる「おたく」にすぎませんが、そんなことを言っていれば、道はきわめられません。

 

そごで、もくげ(むくげ)の花の種類を表現するルールをご説明します。

 

その1 花びらの地の色

地の色(じのいろ)とは、パソコン用語の背景色back ground colourです。

具体的には以下のように花びらの色を考えます。

 

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これも左と同じく白、

赤いところもありますが

地の色は白

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薄い赤紫

赤いところもありますが

地の色は薄い赤紫

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桃色 (ピンク)

 

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赤紫 または 赤

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薄紫(うすむらさき)

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青紫

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(鮮やかな紫)

 

地の色は他にも微妙な色がいろいろありますが、色の名前を普通に表現してかまわないと思います。

最近では、なんとかブルーなどとカタカナで書いてある花もあるくらいです。

 

 

 

その2 一重と八重

一重

もくげ(むくげ)の花の中には、とてもシンプルな花があります。花弁(はなびら)5枚、長い雌蕊(めしべ)の根元の周(まわり)に、黄色い雄蕊(おしべ)がたくさんついています。ハイビスカスの面影を色濃く残した花です。これを一重(ひとえ)と呼び、色の次につけて表記します。この一重という表記は、省略されることもあります。

 

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(しろ)の一重(ひとえ)

または、単に「白」

 

 

八重

 

花びらがたくさんついている、もくげ(むくげ)もあります。

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この花の雄蕊(おしべstamen)の一部は、

花糸(かしfilament:雄蕊の柄の部分)が花びらになりかけて幅が広がっているのに、

(やくanther:花粉の袋)がまだ付いています。

内側の花びらは、元は雄蕊なんです。

このような花を「八重咲き(やえざき)省略して「八重(やえ)といいます。
この場合、色の後ろに八重という表記を必ずつけます。

 

この八重には、

花びらのようになった雄蕊(おしべ)がまだ細いもので、「花笠(はながさ)と呼ばれるものと、

花びらのようになった雄蕊(おしべ)が広くなり、「玉(ぎょく)と呼ばれるものがあります。

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紫の八重

花笠(はながさ)

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紫の八重

(ぎょく)

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白の八重

花笠(はながさ)

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白の八重

(ぎょく)

 

少し離れてみると、花笠は京都の祇園祭に出てくる花笠の形です。

玉は指輪やブローチについている宝石(玉、ぎょく)のように見えるため、こう呼ばれています。

また、変わり咲きとか先祖還り(せんぞがえり)と呼ばれるものもあります。

 

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一重と八重花笠の中間(守り咲き)

 

一重の花に交じって咲けば

花笠へ変わりかけていますし、

花笠に交じっていれば

先祖がえりです。

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花笠と玉の中間

 

花笠に交じって咲けば

玉に変わりかけていますし、

玉に交じって咲けば

花笠に戻りかけています。

 

 

もっと微妙な分類をする方法もあります、花びらの数で、八重、半八重に分け、

八重を  乱れ咲き、菊咲き、ボンボン咲き

半八重を 祇園守、花笠、バラ咲き     と分ける分類です。

しかし、日当たり、肥料、花の数など様々の条件で、花は微妙に異なってさきます。

このため、あまり細かく分類すると、一本の木に何種類かの花が咲くことになります。

また、花の先き始めは、花びらの長さが短く、花びらがつながって見えてポンポン咲き、2〜3日すると隙間ができるので菊咲きの花もあります。同様に、菊咲きで咲き始めた花の、花びらが、数日のうちに縮れて細く見えるようになり、乱れ咲きに変わる時もあります。

そんなわけですので、この種の微妙な変化を表す表現も追々、覚えていただくと、

それだけで、会話が少し豊かになります。

「今日は良い天気ですね、」を

「そうですね」・・・・・とだけうけるのではなくて、そのあとに、

「よく日に当たったせいか、お庭のもくげ(むくげ)の玉(ぎょく)の、周(まわ)りが菊のようになるのが早いですね」などといえるようになると、商談や頼みごと、そして、お詫びもしやすくなるのではないでしょうか。

 

花の咲き方で「花笠」や「守り咲き」とか「祇園守(ぎおんまもり)」とか呼ばれるものについては、かなり、長い話になりますので、文化についてのところで、後ほど説明します。

 

この白の玉(ぎょく)には、

説明: 説明: 説明: 説明: image021説明: 説明: 説明: 説明: image023

バラのような花も、カーネーションのような花も

ありますので、この花は○○みたいな玉(ぎょく)でかまわないでしょう。

進化したり先祖がえりしたり、それを見るのも楽しみのひとつです。

 

その3 底紅

モクゲ(むくげ)の花の底には、濃い赤い部分があるものと、ないものとがあります。この部分の有無が底紅の有無です。また、底紅がある場合には、底紅の大きいものと小さいものとがあります。この大小には絶対的、あるいは相対的な基準があるわけではありませんが、比較的大きいときに大きいといいます。たくさん、もくげ(むくげ)を見ているうちに、大きいとか、小さいとかは見た瞬間に感じるようになりますので、何センチだからとか、半径の何パーセントだからとかこだわらずに、気楽に構えてください。同じ半径でも、あるいは、同じ比率でも、花びらの形状で感覚的に違って見えることもあるからです。

底紅については、あり、なし、大、小を色の後か、八重一重の表記の後に表示します。

一重と同様に底紅の無いときは表示する必要がない場合もあります。

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先ほどの白のもくげ(むくげ)には

底紅はありません。

白一重底紅なし、

白無垢の一重

単に白一重

などと呼びます。

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この白のもくげ(むくげ)にも

底紅はありませんので、

白一重底紅なしの木に

花びらの細長い花が咲いた、

などといいます。

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この白の八重花笠には

小さい底紅があります。

白八重底紅小の花笠です。

白の八重の花笠でごく小さい底紅がある、

でも通じます。

 

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この場合、底紅は標準的な大きさか、

あるいは、少し小さめです。

白一重底紅で紅は普通か少し小ぶり

などと言います。

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この白一重には、

かなり大きな底紅がありますので、

白一重底紅で紅は大きめで派手

とでも言っておけば、もくげの

心得のある方なら理解してくれます。

厳密な分け方では、底紅の色も表現します。茶色、赤、紫、濃赤紫、・・・

 

その4 絞り

(京都)には友禅という、染物(染色織物:染めた布)があります。

その技(わざ)の一つに、絞り染め(しぼりぞめ) (京都では単に「絞り(しぼり)といいます」)

があります。染める前に布をつまんで糸で絞ってから、染色液に浸しますので、

絞る加減で周囲に放射状のとげのような模様が残ります。

もくげの底紅の周囲の加減を、この京友禅の絞りの程度で表します。

強い絞りがかかっているとか絞りが弱いとか表現します。

 

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この白一重の底紅には、

かなり強い絞りがかかっています。

つまり、この花は、

白の一重の底紅で、

底紅は大きく、絞りが強い花です。

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この青紫の一重のもくげには

大きな紫色の

強い絞りがかかった底紅があります。

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赤紫の一重のもくげで

適当な大きさの褐色(茶色)の底紅があり

底紅にはほとんど絞りが

かかっていませんとか、

底紅の絞りは弱い (または、小さい)

などと表現します。

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この花は、

白一重底紅のもくげで

底紅の大きさはそこそこで、

底紅には弱い絞りがある、

でよいと思います。

細かいことをいうと、花びらの地の色が絞りのものもあります。

 

その5 縞(しま)や鹿の子

もくげ(むくげ)は旧約聖書に出てきたり、韓国の国花として大切にされたり、

日本では、御茶事の際に、茶席の一輪ざしに切り花としてさしたり、

柴折戸(しおりど)のある内路地にさりげなく咲かせておいたり、

蹲踞(つくばい)で手を洗い口をすすいで、ふと見あげると木の間から見え隠れする花です。

また、薬の原料でもありますので、派手な模様はあまり好まれません。

しかし、たまにですが、縞模様(しまもよう)の花も咲きます。

 

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ピンクに赤紫の縦縞のある底紅の祇園守

(ピンクにあかむらさきのたてじまのあるそこべにのぎおんまもり)

 

 

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ピンク底紅紫の縦縞の一重

 

さらに、紅白のチェッカーフラグのような模様、

白地に赤、茶色、紫のブチのような模様の花も咲いてしまいます。

もくげ(むくげ)の世界では、

清少納言の枕草子に「鹿の子(かのこ)まだらに雪の降りける・・」とあるように、

京ことばの、鹿の子(かのこ)まだら(子鹿の背中のまだら模様のように)という表現で、

ブチのように色のついた花びらをたとえます。

白に鹿の子(かのこ)の赤とか、桃色に鹿の子の茶色とか、

薄紫に鹿の子の青など、たまにですが、そんな花も咲きます。

 

ご近所には、鹿の子の花を大切に育てている方がいましたが、

今年はもうありませんでした。

源氏の君から便りを貰った朝顔のように、時は過ぎて・・・

 

この鹿の子の程度の差には、

べったり、いちめんに、まばらに、ところどころに

などの形容詞を使います。

この他にも微妙な咲き方や、模様の綾(あや)をあらわす表現が時折出てきますが、

なんとかなるでしょう。

 

その6 6弁7弁のもくげ (むくげ)

 

もくげ(むくげ)の花弁(花びら)は5枚です。

八重のもくげ(むくげ)の場合、おしべが、花びらのように見えて、

花びらの数が多く見えています。

しかし、希に花弁が6つ、7つの花も咲きます。

 

6弁のもくげ

2018/06/12

2017/06/25

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花弁の多い花をつけました

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切り取っても何枚かよくわかりません

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後ろから見ると、蕚(がくcalyx)は4枚です。

分解してみましょう。

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花弁(花びら)の数は6枚でした。6弁のもくげ(むくげ)です。

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花びらをちぎった痕は、雄蕊(おしべ)の位置ではなく、

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花びらの位置に6枚ともありましたので

花弁(花びら)のどれか1枚が2枚に分裂した結果

全部で6枚になったものかもしれません。

もう一つの可能性は、この花には、

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上述のように、蕚(がく)が4枚しかありませんので、

(がく)の一つが花弁(花びら)に変化したのかもしれません。

通常のもくげ(むくげ)の蕚(がく)の数は

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この写真のように5枚です。

 

7弁のもくげ

2016/09/06

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このような花が咲きました。

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花びらが7枚あり、7弁のもくげ(むくげ)です。

 

その7 品種固有の呼び名

最初に一部のもくげ(むくげ)には固有の呼び名があるとかきましたが、

もう、ここまで、このページを見てくださった皆さんは、もくげ(むくげ)の花の特徴を言葉で説明したり、

聞いて理解できるようになっておられるものと思います。

そこで

 

問題1

 

宗旦という方の好まれた、白一重の底紅のことを、その方にちなんで「宗旦」と呼びます。

宗旦の中で絞りが強くなく、適度な大きさの底紅のあるもくげ(むくげ)は、

わがくにの国旗と同じ名前で「日の丸」と呼びます。

白一重底紅には、どちらにもあたらない、切れ長の花びらの花があります。

この3種をそれぞれ次の花から選んでください。

説明: 説明: 説明: 説明: image044説明: 説明: 説明: 説明: image045説明: 説明: 説明: 説明: image046

 

問題1の答

白一重底紅     日の丸        宗旦

 

 

問題2

 

次のもくげ(むくげ)の特徴を、調べて、言葉で言い表しなさい。

祇園守、祇園花笠、大徳寺、大徳寺花笠、キジバト、紫玉、紫杯、大紫杯、

旧約聖書のシャロンのバラ・・・・・・・・まだまだ、種類はあります。

 

答えは

検索サイト、花屋さん、植木市などなどで見聞きしてみてください。

世界のすべてのもくげを見ることなど、とうてい、できませんので、

多分、一生楽しめると思います。

 

 

次はもくげ(むくげ)の花の育て方、増やし方についてです。(次に進むにはここをクリックしてください)

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